こんにちは ワインフィッター® 新海 寛司 です。
まずはちょっと僕の生い立ちをお話しますね。
僕の親父は50年にわたり街の衣料品店を営んでいました。親父は祖父とともにこの店を創り育てたので、二代目ということになります。
本来なら僕が跡をついで三代目になりますよね。しかし、お袋は「商売人は365日休みがなくて大変だから、息子にはいい大学行って、大きな会社の勤め人になって欲しい」と言ってました。でもね。やっぱり子供だから親の跡を継ぐべきなんじゃないかと思うわけですよ。
悩みながら大学生になって、いよいよ就職活動をする時期になったある日、親父に話したんです。「この店を継ぐべきじゃないかと思う。」と。その時に言われた言葉が、「お前に人様に似合う服を選ぶセンスはない。」「だからこの店を継がせる気はない。」「この店はオレの代でおしまいにするから。お前はお前の仕事を見つけろ。」でした。
(そりゃあそうですよね。生まれてから大学生になるまで、服はすべて自分の店の売り物から、お袋が選んでくれた服を着るだけでしたから。服を選ぶセンスなんて育ちませんよ。 笑)
それで、選んだ道が某食品メーカーです。なぜかというと…人が毎日の生活でかかせないものは、「衣・食・住」。
親父が「衣」の分野で人様の毎日の生活を支えているなら、オレは「食」の分野で人様の毎日の生活を支えたい!
親父は吊るし(既製服)の洋服屋だけど、おれはモノを作るところから携わりたい!!と思ったわけです。
配属されたのは、最初が容器やラベルの調達部門、その次が広報・宣伝部門でした。中身は作らないけど、その商品の装いやコンセプトを創り出す仕事に携わることができました。
(でも残念ながら若い頃は、ワインに全く興味がなかったんですね・・・。お酒は当時おしゃれな大人の男に憧れて、シングルモルトを毎晩飲んでました・・・笑)
30代後半になり、当時「これが私の趣味です!」といえるものを探していた僕は、食関係の仕事をする中で、食卓をより健康に美味しく、華やかにしてくれる飲みものとしてワインと出会い、「これだ!」と思い、のめり込んでいきました。
もちろんワインの味わいが大好きですが、僕にとってワインは、人間関係を広げてくれる「第二言語」なんです。人付き合いが下手で身近な人としか付き合いのなかった僕が、ワインという第二言語を身に着けることで、今ではSNSを通じてリアルにお会いしている方だけでも1,000人以上のワイン仲間と交流しています。
彼らはそれぞれの分野で活躍されていて、ワインという媒体がなければ、一介の会社員が生涯出会うことのなかったであろう素敵な方々です。そんな素晴らしい才能に溢れた皆さまといつもご一緒させていただき、味わった数々のワインとお料理は、ノムリエの僕にたくさんの感動と経験を積ませてくれました。
そんなとき、今回のコロナ禍が僕たちを襲い、僕のワインのたしなみ方が大きく変わりました。つまり料理店やワインパーティーなどの「ハレ」の時間ではなく、自宅でカミサマが作ってくれる毎日の家庭料理で、ワインを飲む日常生活です。それは、よどみがちな僕の心と身体に潤いと栄養を与えてくれました。また開けるワインも、守備範囲が各段に広がりました。
そしてもうひとつ。ここ10年の日本ワインの目ざましい質の向上と爆発的といってもいい新規ワイナリーの誕生です! その一方で、日本人のワイン消費量は伸びたとはいえ、10年間で2倍程度の伸びに過ぎず、このままでは、今後10年で多くのワイナリーが立ちいかなくなることが予測されます。
そこで、2022年に還暦という人生の一区切りを迎えて、次のステージはワインへの恩返しをすることに決めました!
僕ができるのは限られた身近な範囲ではありますが、一人でも多くの方にワインを「日々の生活にストーリーを創れる飲みもの」として親しんでもらいたいと思い、このワインフィッターという生き方をスタートしました。
「お店でグラスワインを頼むときはあるけど、自宅でもワインが楽しめたら嬉しいな。」という皆さまに、「あなたのお好みや用途に応じて、毎日の生活に潤いを与えてくれるワイン」をフィッティングしてお届けします。